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カラ−テレビ事件(4) <夏の夕暮れ >

    おまわりさんは、テレビを担いだ大野さんをしげしげと見ながら、
    「あなた達は、何をしているんですか?」
    と、そばの同僚に聴きました。
    「つまり、その〜。ちょっとした罰ゲ−ムです」
    なんとかごまかしました。
    「あんたも大変だな。まあ、頑張りなさいや」
    大野さんを見て笑いながら、おまわりさんは行ってしまいました。
    とんだところで時間を食ってしまいましたが、
    大野さんはふたたび家に向かって歩きだしました。

    最初は快調でしたが、進むにつれてだんだん疲れてきたので
    しょう。
    大野さんの足元がふらつき始めました。
    「大野さん、がんばれ!」
    「がんばれや!」
    同僚たちが口々に励まします。
    「テレビを下ろしたらあなたの負けですからね」
    電気屋さんがクギをさします。

    夕日が西に傾いてきましたが、まだ昼間の暑さが残っています。
    大野さんは汗びっしょりですが、なんとか頑張って歩きます。
    そのうちに、電気屋さんと奥さんが軽トラックの中で、何やら言い
    争いを始めました。

    −つづくー

2004.03.25


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